カナダ

カナダ:バンクーバー

西川 桂子(にしかわ けいこ)

職業…翻訳者、ライター、記者
居住都市…バンクーバー(カナダ)

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 1年以上、入院していた父が11月の頭に亡くなった。

 新型コロナで日本行きの便が減便になった3月から「もしもの場合に日本に帰ることができるのか?」という思いはあった。

 大学を卒業した娘が行きたいと言っていたのを幸いに、日本に送り込んだ。日本側は海外からは来てほしくないような口ぶりだったが、そのころバンクーバーのあるBC州の一日の感染者は一桁だったので、今がチャンスという思いがあった。

 娘を送ったのは、私が間に合わなくても、代わりに娘が送ってくれるという思いがあったからだ。

 娘にすれば迷惑な話だろうが、保険をかけたつもりだった。

 父が入院していた病院ではコロナ患者がでていたこともあり、お見舞いを制限していた。

 結局、家族は誰も父の死に目に会えなかったものの、減便の中、関空に直接入る便を見つけることができた。最後のお別れができたのは幸いだったと思う。
(私は大阪出身で、海外からの渡航者は日本国内での公共交通機関を到着後14日間は利用できない)


ガラガラの機内

ガラガラの機内

 夏に帰国した知人は、私と同様に家族が亡くなったためだったが、羽田から大阪までレンタカーで戻っている。別の人もやはり滋賀までレンタカーを使用した。

 長いフライトの後で疲れているのに危ないのではないかと思う。

 9月にお母さんが亡くなった友人は、葬儀に間に合うよう大阪入りできず、帰国を断念した。

 日本滞在中にニュースで、海外からの帰国者は公共交通機関を使うことができないというルールがあるにも関わず、こっそり飛行機を使う人の話を見た。

 一方、別の友人は実家が福岡。今、親に何かあっても、帰ることができないと、何事もなくコロナ禍が過ぎることを祈るような気持ちで過ごしているという。

 PCR検査で陰性であったら、隔離先までの移動に限り、公共交通機関の使用などの措置ができないかと期待している。





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