カナダ

カナダ:バンクーバー

西川 桂子(にしかわ けいこ)

職業…翻訳者、ライター、記者
居住都市…バンクーバー(カナダ)

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 バンクーバー五輪のときなので10年以上前のことになるが、トルコ出身のトゥーバ・カラデミル選手(当時)と仕事をする機会があった。以来、フェイスブックで友人になり、時々近況を見ていたが、最近、オンタリオ州で弁護士登録したとの投稿を見つけた。


トゥーバ・カラデミルさん(2009年)

トゥーバ・カラデミルさん(2009年)

 フィギュアスケートの人気が高い日本でも、トゥーバさんのことを知っている、または覚えている人は少ないかもしれない。出場したのは、荒川静香や浅田真央、キムヨナ、鈴木明子選手らと同時代に活躍した。

 トゥーバさんは2006年のトリノ五輪で初めてトルコ人選手として五輪出場を果たし、バンクーバー五輪では国旗を掲げて開会式に臨んだ。

 アスリートといえば、親が小さいころからサポートしてきたということが多いように思うが、トゥーバさんも例外ではない。五輪出場を支えてきたのは、娘の才能を信じて、応援してきた両親だ。

 トゥーバさんが小学生のころにフィギュアスケートの才能があると言われた。そこで練習環境を求めて、遠いカナダに移民したという。

 父親はレストランを経営していたが、その店を閉め、母親も仕事を辞めて、スケート学校のあるトロント近郊のバリー市での暮らしが始まった。フィギュアスケートをするのは、それも有名なコーチについてするにはお金がかかる。

 かなり苦労したと聞いた。


衣装は母親の手縫い

衣装は母親の手縫い

 バンクーバー五輪の後、引退したということで、ご両親も一息ついたのだろうと思っていた。

 あれから10年、弁護士になったということで驚いた。彼女は確か生物工学を学んでいたはずだ。聞けば、少し前から弁護士になるための勉強を始めて、晴れて試験に合格。正式に弁護士になったという。

 この嬉しい知らせを見たのが今年の6月だったため、「ご両親も喜ばれたでしょう」と話をしたところ、ご両親はトゥーバの引退を機にトルコに帰ったそうだ。そして、卒業式を楽しみにしていたものの、新型コロナで渡加できなかったという。

 弁護士といえばカナダでも花形職業。なりたいと言って誰でもなれるものではない。しかもトゥーバは、11歳でトルコから移民している。言葉の壁もあったと思うし、スケートのトレーニングをしながら、学校も勉強もちゃんとしてきたのだろうなと思うと、純粋にすごいなと思う。

 トゥーバは最初の夢、五輪出場をかなえて、今度は弁護士になる夢を叶えた。本当に頑張ったなと感心する。

 正確には「あなたの夢かなえます in Canada」ではなく、「自分たちの夢かなえたよin Cabada」が正しいかな?

 今後のさらなる活躍を期待する。




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