一生タクシーに乗り続けた方が安上がり?!
2010.06.14 up
スバル、日産、その向こうにはトヨタが並ぶ、車ショップ通り
日本の3倍はかかると言われるほど、シンガポールでの車購入は高額な買い物です。余りの高さに、一生タクシーに乗った方が安く済む、と言われるほど。
コスト高騰の一番の理由は、新規車両登録権利(Certificate Of Entitlement、略してCOE)という、車を保有する権利に対して支払わなければならない費用です。
これは、狭い国土のシンガポールにおいて、車両数を適切にコントロールするための政府対策で、月に2回入札が行われ、その時々の車両数に応じて、排気量によるカテゴリーごとに価格が変動します。
例えば、今現在、車両数を抑制する傾向があり、新規販売台数を抑えるために、COEは高騰しています。排気量1600cc以下のCOEが、3月に約2万シンガポールドル(約130万円)でしたが、4月から徐々に上がり始め、6月上旬現在で約3万ドル(約195万)まで高騰しています。
買い手は、このCOEの変動傾向を見つつ、買い時を定めるわけですが、車ディーラーの方では、「入札の時点で、COEが~ドルを超えたら、その分はメーカーで持ちます」という言い方をして、客の購買意欲を落とさないようにします。でなければ、車購入がまるでギャンブルのようになってしまいます。
さらには、本体価格の100%かかるとされる追加登録料、20%の輸入税、サービス税、6か月分先払いの道路税、保険料などを合わせると、販売価格が約7万ドル(約455万円)にもなってしまうというわけなのです。しかも、これはごくごくオーソドックスな5人乗りファミリーカーの平均的な値段で、ドイツ車などは優に約1000万円を超えます。
車ショップが集まった、車のデパートのようなビル。その名も「オートモービル・メガマート」
そんなに高いのに、何故かシンガポールの路上には車が溢れかえっており、通勤時間帯は常に渋滞です。一体どうして?みんなそんなにお金持ちなの?と大変疑問に思いましたが、頭金なしの10年ローンなどが可能で、毎月生活の負担にならない額を払いながら車ライフを楽しむ、という考え方が定着しているようです。
そのほか、ガソリン代、決して安くはない駐車場代、ERP(Electronic Road Pricing)と呼ばれる電子道路課金制度によって、交通渋滞緩和対策として市街地の随所で徴収される通行料金など、維持費もばかにならないマイカーライフですが、シンガポールの人々に言わせると、「暑い思いをしなくてすむし、電車やバスでの待ち時間もないから、時間の節約になる!タクシーは運転が荒いしね」ということだそうです。待ち時間を嫌い、マイペースな快適さをよしとするシンガポール人が求める生活を、マイカーは与えてくれるのでしょう。
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タグ:車、購入、
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