キアスなシンガポール人
2010.07.14 up
シンガポール人気質を、もっとも的確に言い表しているのが、「キアス」という言葉です。「キアス」とは、福建語が元になったシングリッシュ(以前に当コラムで紹介しましたが、シンガポール流英語のことをこう呼びます)で、「人より得をしたい」「人に負けたくない」という意味です。
シングリッシュの辞書には、試食に何度も並んだり、ビュッフェランチで皿を山盛りにしたり、バスや地下鉄の座席争奪戦に闘魂を燃やすなどが、キアスの特性として紹介されています。
この本によれば、あの人はキアスだ、と言い始めたあなたもすでにキアス、なのだそう・・・
なんと「ミスター・キアス」と題されたコミック本まで出版されていて、キアス君のキアスな日常生活が綴られており、「ああ、こういう人見かけるなあ」と苦笑せずにはいられないエピソードが満載です。
この本によれば、「タダで手に入るものは、何でももらっておく」のもキアスな表れで、ファストフード店の紙ナプキンやケチャップから、スイミングプールのシャンプー、ビーチの砂まで、タダであればあらゆる物を持ち帰るそう。
私が「これもシンガポール人のキアスな気質なのでは」と密かに思っているのが、「~知ってる?」と質問した時に、「どこかで聞いたことあるけど、よくは知らない」という受け答えが帰ってくることが多い点です。日本語にも、知ったかぶり、という言葉がありますが…
ところで、最近歯医者に行った際、最近出産したばかりの歯科医が、「聞いてよ、うちの旦那、娘の出生証明書が発行されたらすぐに、3年間待ちの幼稚園の登録に行って、将来入学させたい小学校の隣りのマンションを買ったのよ。スーパーキアスでしょ」と話していました。
子供の幼稚園と小学校にキアス精神を発揮するシンガポール人、そこには、熾烈な教育競争社会が見え隠れしています。その詳しいお話は、また次回紹介いたします。
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