白熱のシンガポール総選挙 その1
2011.05.10 up
5月7日、シンガポールで総選挙が行われました。シンガポール議会は一院制で、議員任期は最長5年です。前回の総選挙は2006年5月でした。先月19日、リー・シェンロン首相の助言に基づき、ナーザン大統領が議会を解散し、総選挙の実施を宣言しました。
今回の総選挙は、シンガポール史上、最も白熱した選挙でした。その理由を説明するには、ざっとシンガポールの政治と選挙制度について紹介しなければなりません。
シンガポールの政治は、1965年の建国以来、与党である人民行動党(Peoples Action Party、略してPAP)の一党支配のもとで行われてきました。
選挙区は、「単独選挙区」(1つの選挙区内で1つの定数を争う)、と「集団選挙区」(1選挙区内の定数は5~6で、得票数の高かった政党がその選挙区の議席を総取りする)の2種類あります。選挙に臨む際は、各党定数分の立候補者を立てなければならず、しかも構成員は、中華系・マレー系・インド系の人種のバランスが取れている必要があります。
前回選挙では、14の集団選挙区のうち、7つの選挙区で野党の立候補がなく、PAPの無投票当選となりました。結果、全84議席中、野党の労働者党(Worker\'s Party)とシンガポール民主連盟(Singapore Democratic Alliance)が単独選挙区で1席ずつ得たのみで、他82議席はPAPが獲得することになり、一党支配は全く揺らぎを見せませんでした。
主人に届いた投票券
ところが今回選挙では、1か所を除く全ての集団選挙区で、野党が候補者を立て、PAPと争う形になりました。まさに、シンガポール初の選挙らしい選挙、が行われたのです。ちなみに、PAPが不戦勝となった唯一の選挙区は、建国の父リー・クワンユー(顧問相)が出馬した区でした。しかし、そこにはちょっとしたハプニングがありました。不戦勝は、野党不在だったからではなく、立候補を予定していたシンガポール民主連盟が、立候補受け付け時間を35秒過ぎて申請したため、選挙管理委員会に受理されなかったからなのです。
選挙結果については、「シンガポール総選挙その2」に続きます。
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タグ:総選挙
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