中秋の名月を祝ういわゆる十五夜は、こちらでは「中秋節」と呼ばれています。今年は、9月12日でした。この日の前後、中華系の人々は、家族で集まり、月餅を贈り合い、切り分けて共に食します。
その月餅商戦、毎年「中秋節」を目指してヒートアップします。老舗のものから、ゴージャスなパッケージを売りにしたもの、ラッフルズホテルを始めとする一流ホテルによるデザイン重視のもの、変わり種としては、ドリアン入りのものなど、とにかく千差万別。あれこれ興味はあるものの、そんなに大量に消費するものでもなく、実際に食べたことのないものばかりだったのですが、今年は友人たちと、「ムーンケーキ食べ比べパーティー」を開き、月餅への門戸を、ぐぐっと広げることができました。

左から、ハイアット、シャングリラ、マンダリン、ハーゲンダッツ
いわゆる定番は、塩漬けされた卵の黄身がはいったベイクドタイプです。その黄身がダブルだとなお縁起がいい、とされています。我々が試した定番は、「シャングリラホテル」のもの。
そして、この甘くて重めのベイクドタイプに対し、ぐっと洋菓子感覚で食べられるので人気なのが、スノースキンタイプです。表面は、大福の皮のようです。「マンダリンホテル」のものは、抹茶、黒ゴマ、紫イモなど、和風感が漂うフィリングで、馴染み深かったです。

やわらかいスノースキンタイプは、切り分けるのもちょっと一苦労
「ハイアットホテル」のスノースキンタイプには、ココナッツやチョコレートなど、創作フレーバーが勢ぞろいでした。中でも、我々の興味を一番そそったのは、ピンク色の皮に包まれた、「シャンパントリュフ」。満月型のフィリングは、まさにシャンパンのかたまりそのもので、鼻につんとアルコールが感じられました。
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ハイアットのシャンパントリュフ。伸びてくる子供の手を阻止!
私が持参したのは、アイスクリームブランド、ハーゲンダッツのもの。あえて、月餅のコンセプトから大きく外してみました。案の定、これは、「ムーンケーキの形をしたアイスクリームケーキ」で、普通にデザートとしての役割を果たしてくれました

大中国餅店のもの。1/8切でも十分な濃厚さでした
ちなみに、実家用には、チャイナタウンの一角に店を構える老舗、「大中国餅家」のものを選びました。ムーンケーキフェアの会場をうろうろして決めかねていた時、お菓子売り場のおばちゃんに、「あなただったら、どこのを買う?」と聞いたところ、二人のおばちゃんが顔を見合わせて、「やっぱり、大中国のよねえ。パッケージは全然おしゃれじゃないけど」と教えてくれたのです。なんでも、油っぽさと中身の詰まり具合が絶妙なのだそう。そして、「みんなで切り分けても、崩れてこない」ということでした。
後日、実家に届けたところ、当初「月餅はあまり好きじゃないからいらないわ」と言っていた姑も、「なんでこれを選んだの?」と、ちょっと意外そうに、でも嬉しそうに、昔はこの店の前にどれだけ長い行列ができたかを話してくれました。
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1 - Comments
Setsuより:
2011 年 09 月 24 日 09:19:44
おひさ!!
私も最近はレストランやお店で売り子さんに「あなたが一番好きな物はなに?」と聞いています。
みんな熱心に自分がどれだけそれをお勧めしているかを説明してくれるし、そして外れがありません。
月餅、懐かしいわぁ。。。
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