オランダの住宅市場は崩壊寸前にみえる
2012.05.07 up
一戸建てもアパートも「Te Koop;売り出し」
何年にもわたり「売家;Te koop」の看板が目立っていたオランダですけれど、昨夏、私がこちらに戻ってきてからは月単位で看板が増殖中です。素人目にみても、オカシイと感じます。
オランダの人口密度は日本より高く、大都市や大学などのある地方都市では、いつも不動産が不足しています。
家賃もきわめて高いです。ですから、どうせ高い家賃を払うくらいなら、投資にもなるし税金控除もあるからと、マイホームを買う人が増えていました。
またローンを組むことを奨励する風潮があり、持ち家でないのは、何か損と思わせるありさまで、ちょっとした住宅バブルだったのです。
ところが、今、不動産の価値は下がる一方です。
満艦飾の「売家」の看板、画面ではみづらいですが5件が売家
また共働き夫婦がローンを組む場合、片一方が失業してしまうとローンの算定がかわってしまいます。最近は人員カットする企業も多く、失業率もあがっているので、安定したフルタイムの職をさがすのは現状ではなかなか困難です。そのうえ給与は据え置きなのに、物価はあがる一方です。
ガソリン代はEUでもっとも高く、リッター1.8ユーロ(日本円で230円)です。ローンが返せなければ、家を売却して相応の家に移りすみたいところでしょうが、それも無理。まさに綱渡りの状態なのです。
2012年4月27日付け、テレグラフ紙によると、オランダの不動産市場が抱える在庫は南欧並みで、家計負担はEU圏では郡を抜いて高いそうです。
町にあふれる「売家;Te koop」の看板を見るたびに、米国発のサブプライムローンを思い出してしまいます。
ちなみに世界で始めてバブルを経験した国は、17世紀のオランダです。「チューリップバブル」といわれ、球根ひとつで屋敷が買えたといわれます。
16件のうち、4件が売り出し中の看板
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タグ:不動産
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