英国で紙幣になった日本人
2013.11.04 up
突然ですが、「お札に印刷された日本人」というとどんな人を思い浮かべますか?
歴史の古いところでは聖徳太子、伊藤博文、そして女性では樋口一葉などなど、さまざまな顔ぶれがいらっしゃいますよね。
それでは、お札に印刷されている「渡邊嘉一」氏をご存知でしょうか。
ほとんどの方はご存じないと思いますが、この方はスコットランドで紙幣になっている日本人です。
イギリスはイングランドとスコットランドで流通紙幣が異なるのですが(互換性はあって、どちらも英国内で使えます)、スコットランドにある「バンクオブスコットランド(Bank Of Scotland)」が発行する20ポンド紙幣に渡邊氏が印刷されています。
表面には、スコットランド出身の詩人サー・ウォルター・スコット(Sir Walter Scott)の肖像画が印刷されていて、その裏面が上の画像です。
エディンバラ市街から14km西にあるフォース・ブリッジという鉄道橋です。
よーく見ると、右上に人が小さく3人写っています。
拡大したのがこちら。
彼らはこのフォース・ブリッジの設計に携わった建築士です。
渡邊氏は、ちょうど「20」の0の中に見えています。
このフォース・ブリッジはエディンバラのフォース湾上に建設されているのですが、地理的に建設が難しく、事故なども発生してしまったのだとか。
その後、新たに橋の建築士に任命されたのが、上記お札の画像にも写っている2名のイギリス人技術者で、彼らに協力したのが他ならぬ渡邊嘉一氏だったのです。
当時渡邊氏はスコットランドで建築系の仕事をしていて、フォース・ブリッジ建設に際しては建設工事監督係として働いていたのだとか。
上の画像は、橋の模型に3人が腰掛け、構造の耐久性をプレゼンテーションしているところの画像だそうです。
このフォース・ブリッジが1890年に完成したお陰で、エディンバラからアバディーンまで直通電車が走れるようになったので、アバディーン在住者としてはありがたい限りです。
この紙幣が発行されたのは2007年からですが、ちょうど流通しているタイミングでスコットランドに住むことができ、不思議なご縁のようなものを感じます。
日本ではあまり知名度のない渡邊氏ですが、異国で紙幣に登場するなんて、人生何が起こるか分かりませんね。
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7 - Comments
かなやより:
2013 年 11 月 04 日 15:01:33
このような日本人がいたのですね。初めて知りました。
石田より:
2013 年 11 月 06 日 00:44:17
この、渡邊さんは、イギリスではどのくらい有名なのでしょうか?
知る人ぞ知る、という感じですか?
いとうより:
2013 年 11 月 06 日 18:11:29
いとうです。
お札に人物が使われるということは、とにかくすごいことですよね。
このような「お金に使用された日本人」は、これ以外にあるのかなぁ、
すごく気になります。
倉田直子より:
2013 年 11 月 06 日 19:29:53
かなやさま
私も、つい最近知りました。
同じ日本人として誇りに思います。
倉田直子より:
2013 年 11 月 06 日 19:33:40
石田さま
エディンバラ出身・アバディーン在住の日本通スコティッシュ女性が渡邊氏を知らなかったので、ほとんど知名度はないのではないでしょうか。
雰囲気的に、この模型に座っている写真に写っていたからお札に掲載された…というのが正しいニュアンスかもしれません。
倉田直子より:
2013 年 11 月 06 日 19:36:09
いとうさま
「日本人が外国でお札に登場する」ということを考えたことがなかったので、他のケースは全く分かりません。
もしかしたら、他の国にもあるかもしれませんね。
石田より:
2013 年 11 月 17 日 14:12:27
なるほど。
でも、紙幣に残るのは良いですね。
できるだけ長く残って欲しいものです。
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