ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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国民は国旗に強い敬意を払う

国民は国旗に強い敬意を払う

 汚職とは、政治家や役人などがその地位を利用して不正に利益を得ること。昨年初めからブラジル国会議員や州知事の汚職の摘発が続いた。日本に比べると、ブラジルでは受け取った金額や規模が桁違いだ。


サンパウロ市内のビジネス街で

サンパウロ市内のビジネス街で

 ペトロブラス(石油会社)をめぐる政財界の贈賄に始まり、大臣や上・下院議員らが次々に逮捕され刑務所行きに。その数は10人近くに達した。セルジオ・モーロという若い一判事が暗殺の危険をも恐れず取り組んだ作戦は「ラバ・ジャット(ジェット洗浄)」と名付けられ、マスコミはトップニュースで長期間にわたり報道した。


 芋づる式に逮捕者が出たのは「デラソン・プレミア―ダ(司法取引証言・報奨付き供述)」による。つまり、逮捕された者が仲間の不正を告発すれば減刑される制度で、有名政治家の100万~1000万ドルの汚職が続々と明るみに出た。国旗の「ORDEM E PROGRESSO(秩序と進歩)」の文字が。日系国会議員の名前が1人も挙がらなかったのはさすがだ。


 なぜ汚職が多いのか。
 第一に、ブラジルは195年前にポルトガルから独立。当初は海岸線にできた数州で国を動かし、国民は上から下まで馴れ合いで繋がっていた。ラテン系人は「アミーゴ精神」旺盛で友を大切にする。その文化の名残が今も続く。
 第二に、国民は個人主義が強く他人のもめ事に干渉しない風潮がある。日本人特有の恥の文化も薄い。罪を犯しても謝らず、堂々としているのだ。
 第三に、法律を作り過ぎて役所の諸手続きが煩雑だった。アミーゴを通して賄賂を渡せば解決する“便利な”社会通念がまかり通っていた。


 歴史の新しい移民国家を統一するのは並大抵ではない。かといって、汚職が許されるはずがない。今回の大掛かりな摘発はブラジル国民一人ひとりを目覚めさせた。モーロ検事の勇気に拍手を送り、今後も汚職撲滅に取り組んでもらいたい。


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タグ:サンパウロ

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