ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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まちを彩るクリスマスツリー。サンパウロ市最大のイビラプエラ公園で

まちを彩るクリスマスツリー。サンパウロ市最大のイビラプエラ公園で

 12月半ばを過ぎて1年を振り返ると、周りの出来事が瞬時だったような気がする。地球の自転と公転が以前よりも速くなってきたのではないかと、そんな馬鹿げたことを考えながら今年もあと10日ほど。


 カトリックが国教のブラジルの年間最大行事はクリスマス。日本とは季節が反対のため、真夏の祭典となる。サンパウロ市内の公園には11月からツリーが立ち、街路樹に飾られた豆電球が点滅する。クリスマス前の週末は、商店街やショッピングセンターが買い物客でにぎわう。日本の年末と同じ光景だ。


 師走に入ると、低所得者に特別チップを渡す慣習がある。ごみ収集の市清掃職員や、行きつけの小さな商店の店員などが対象だ。前者には巡回時に手渡し、後者は店頭に募金箱を置いて入れてもらい、20日すぎに開けて皆で分ける。施しの金額は自由で5レアル(約150円)ほどでよい。日本的感覚からすると「給料をもらっている人に、関係ない私が何で?」だろう。しかし、これは月給が5万円ほどの働く人への「ご苦労さん」の意味。「貧者への恵み」のカトリック精神からこの文化が生まれたようだ。


 クリスマスに続く正月の休みは元日だけ。勤め人は2日から働き始める。とはいえ、遊び上手のブラジル人、休暇を延長して新年第1週まで国内外旅行に出かける人は多い。極貧層が全人口約2億人中4000万人といわれながら、経済的にゆとりのある人も結構いる。依然、この国の所得格差は著しい。


 サラリーマンには日本のような春夏2度のボーナスがない。ただ、労働法に「働く人には年最低13か月の給料を払わなければならない」とある。端的に言うと、経営者は1か月分の賞与を渡せばいいわけだ。この法制度は年金生活者にも適用され、年末に支払われる。
 十勝の皆さん、良いお年を。


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タグ:サンパウロ

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