オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

 「子どもの連れ去り」と聞くと、赤の他人による誘拐を連想してしまいますが、近年では実の親による子どもの連れ去りが問題になっています。

 1970年代頃、世界的に国際結婚や海外移住などが増加。それに伴い、離婚問題などで一方の親がもう一方の親の同意を得ることなく、子を自分の母国へ連れ出し隔離する「子の連れ去り」問題が取りざたされるようになってきました。それを受け国際社会は、1980年に「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」、通称「ハーグ条約」をつくりました。

 日本も数十年遅れたものの、通常国会で2013年5月にハーグ条約の締結が承認され、14年4月1日に発効されました。つまり日本も、両親の同意なしに16歳以下の子どもを外国に連れていけなくなったということです。
(18歳未満と定義している国もあります)

 この「同意」というのがくせもので、国によっては空港の出入国管理局に口頭だけではなく文書での証明をしなくてはいけないこともあります。これは通常、「渡航同意書」と呼ばれています。

 筆者の知り合いも、在住国(欧州のハーグ条例締結国)から日本に母親と子どもだけで帰国しようとしたら、「渡航同意書」の提示を求められたという経験者がいます。

 ほとんどの国ではその「渡航同意書」に定型フォーマットは無いようなのですが、求められる情報に少しずつ違いもあるそう。さまざまなサイトで情報収集したところ、日本航空(JAL)のページに、分かりやすい一覧と汎用性のあるフォーマットを見つけました。
※すべてPDFファイルです。

参考資料(各国の必要事項など)
http://www.jal.co.jp/tabi/info/visa/miseinen/index.pdf

JAL製「渡航同意書」汎用フォーマット
http://www.jal.co.jp/tabi/info/visa/miseinen/freeform.pdf

同上記入例
http://www.jal.co.jp/tabi/info/visa/miseinen/freesample.pdf


 筆者もこの夏休みに子どもと2人だけ(父親なし)でオランダ国外に出る機会があったので、事前に夫に上のフォーマットに記入をしてもらいました。

 準備万端でオランダのスキポール空港に行ったのですが、筆者が並んだ窓口の入国管理官は、同意書に関しては一切聞かず、書類無しであっさりと通過させてくれました。担当者によって差があるようです。

 渡航先だったイギリスからオランダに戻るときは、LCC専門のスタンテッド空港を利用したため、出国審査はなし。つまり、筆者の用意した「渡航同意書」は日の目を見ることがありませんでした。

 けれどいつ何時必要になるか分からないので、これからも夫無しの海外渡航には、常に「渡航同意書」を準備していこうと思います。

参照ページ:ハーグ条約と国内実施法の概要(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000843.html





レポーター「倉田 直子」の最近の記事

「オランダ」の他の記事

  • 1350 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website