ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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過去最多の20万人を超える入場者でにぎわった日本祭り

過去最多の20万人を超える入場者でにぎわった日本祭り

 今年もあとわずか。この1年間、ブラジルでさまざまな出来事があった。年の瀬も押し迫り、今一度、ブラジル国内での主な話題を思い返してみたい。


 年始めから国民の関心は大統領選挙一色になり、ジャイル・ボウソナロ氏(63)=サンパウロ州生まれ=が10月28日の決選投票で新大統領に選ばれた。就任は来年1月、任期は4年。12年続いた左派政権から一転、極右の大統領が誕生した。新大統領は陸軍出身だが、その後、長く下院議員を務めていた。マスコミへの発言や行動が極端で、右傾化を危惧する向きもある。ブラジル国民は1964年から20年間、軍政を経験している。


 一方、日系社会へ目を向けると、7月20日から3日間、サンパウロ市で開催された第21回「日本祭り」の入場者が過去最多の20万人を超えた。各県のお国自慢の料理が並んだが、北海道ブースでは塩焼きサンマが好評だった。年々、来場者に非日系ブラジル人が目立つ。日本文化は、確実にブラジル社会に浸透しているのがうかがえる。


 来年は北海道人ブラジル移住100周年。8月24日、同協会会館で式典を開く。今、その準備が着々と進んでいる。日本移民100周年(2008年)の折、北海道の雪で雪だるまを作り、サンパウロ市へ運んだが、これが好評だったため、再度、冷凍コンテナで送る計画だ。10年前、家族連れで雪だるまに手を触れて涙を流していた高齢者の姿が忘れられない。


 サンパウロ市で発行する邦字紙「サンパウロ新聞」は本年12月末廃刊が決定し73年の歴史を閉じる。戦後、ブラジルには日刊日本語新聞が3紙あったが、来年から「ニッケイ新聞」だけになる。日本移民が急速に鬼籍に入る今、日本語新聞が読める人は減少の一途で、時代の流れは止めようがない。
 2018年が音もなく静かに暮れていく。皆さん、良いお年を。


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タグ:サンパウロ

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