ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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サンパウロ会場には約2000人の受験者が集まった

サンパウロ会場には約2000人の受験者が集まった

 12月1日に実施された今年度のブラジルにおける日本語能力試験受験者数が4001人と過去最多を記録した。そのうち、サンパウロ州管内は約半数。同試験は国際交流基金が全世界的に実施するもので、運営は現地の日本文化関係団体が引き受ける。


 ブラジルにおける受験者数の推移は2011年の3272人から一時減少傾向が見られたものの、17年から増加に転じた。関係者の話によると、「従来は受験申し込みに書類を提出しなければならなかったが、今回から初めてオンラインシステムを採用。受験者の大多数はパソコン使用なので、この方式で受験者数が増加した」ようだ。


 試験は難易度でN1からN5まであり、ブラジルでは年1回実施。受験料は各級で異なるが、平均4000円ほど。サンパウロ市をはじめ、ロンドリーナ、ベレン、リオ、ポルトアレグレ、ブラジリア、サルバドール、マナウスの8市で行われた。いずれも日本語学習者が多い地域中核都市だ。


 サンパウロ市では「ブラジル日本語センター」が運営を担当した。同市から約100キロ離れた町から来た、試験会場一番乗りのジョゼ・P・C・クルス君(20)=大学生=は非日系のブラジル人。受験を前に「日本文化に興味があり日本語をもっと勉強したい。去年N4をパスした。今年はN3を目指します。頑張る」と、笑顔で語った。
 受験者の最高齢は今田澄子さん(80)。「戦争中に日本語を使えず、今日までポルトガル語だけです。試しに5級を受けました」という。高齢ながらその意欲と闘志に脱帽。


 日本文化の根幹を成すのは日本語だろう。言葉の中に、礼儀作法など西洋文化にない日本独特の文化が含まれている。謙虚、寛容、気遣い、おもてなし、心配りなどの言葉には深い意味がある。来年は5000人突破を願いたい。


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