ケサル王の末裔が住む、リタン
2011.07.30 up
山のお寺から見下ろしたリタンの街
カンディンに1泊して、朝6:30のバスに乗り、海抜4,000m超のリタンに向かいました。300Km、10時間の道のりです。最高で4,700m以上ある山を4つ越えなければなりません。その道というのがまた車がギリギリすれ違える程度の狭い幅しかなく、ガードレールはただの石、足下は急でほぼ崖、しかもカーブだらけ。ただでさえ恐いのに、トラックもバスもかなりのスピードで飛ばし、そのうえ追い越し…という緊張しっぱなしの恐怖の道でした。いつ落ちるかと思うと寝るどころではありません。長い長い10時間で、帰りもここを通るのかと思うと憂鬱になります。
そんなわけで疲労困憊で到着したリタン。チベット語で「山間にある銅鏡のように広大な平地」をあらわすように、山に囲まれた平らな街でした。人口5万人弱、うち95%がチベット族です。
ダライラマと深い関係のある土地で、ダライラマ6世はリタンを舞台に詩を詠み、第7世、第10世ダライラマもこの地で生まれました。
男らしいと有名なリタンの男性。おじさんは道端に座っていることが多い
チベット族のあいだでは強くて男らしい男性が多い場所として知られています(ほかに男性で有名なのは青海省玉樹)。チベット地域に古くから伝わる叙事詩に登場するケサル王の末裔だからだそうです。
街と言っても、広い道は横に伸びる大通りと縦に交わる道の二本。そこそこのホテルといわれるのも二件だけで、それも水が出たり出なかったり。高山なうえに小さな街なので仕方ありません。それでも毎年8月の競馬祭りには全世界から観光客が集まります。リタンの人が馬術に優れているのも、ケサル王の末裔と言われる所以です。
それにしても、4,000mともなると高山病の症状が出てきて結構つらい。高山病の漢方薬を飲んではいても、やはり症状は出るものです。高山病の頭痛と熱っぽさは風邪よりきつく、せっかくの旅行なのにと焦ると余計に気分が沈みます。そんなときは、ゆーーーっくり鼻で呼吸をするんです。頭と肺に空気をいっぱいためるイメージで。頭痛と息苦しさが軽減します。
リタンは遠いしかなり高山なので、気軽に行ける場所ではないかもしれません。でも行って良かった!と思えるような人や出来事に出会えます。私もまた行きたいと思っていますが、ちょっと道が恐すぎて・・・。縁があれば考えます。
★写真アップしました
http://fotologue.jp/qingtian-mh/
高山病の薬。仁丹のように小さいけれど苦くてまずい
リタンの大通り
可愛い可愛いチベット族の子供たち
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