盗まれた財布が、ある日自宅に届いていた
2016.03.08 up
先日、ショッキングな出来事がありました。ベルリンの目抜き通りを歩いていたら、何と集団すりに逢ってしまったのです。
デパートを出て子供と一緒に歩いていたところ、3、4人の若者が近づいてきました。知らない言葉を話しているのですが、ジェスチャーから署名をしてくれと言っているようです。何の署名かも全くわからず、怪しい感じがしたのでその場を去ろうとすると、追いかけてきて取り囲まれてしまったのです。
「何をするの!あっちへ行きなさい!」とドイツ語で怒鳴ると集団は去っていきました。
しかしその瞬間、貴重品を入れているショルダーバッグが開いていることに気づきました。そして財布が抜かれていたのです。
すぐに警察に電話すると「すりくらいじゃ何にもお力にはなれません」と何とも頼りない対応。仕方がないので、カード会社に電話をしてすぐにカードを止め、自宅に帰ってからネットで警察に被害届を出しました。
それから一週間。ある日、自宅のポストに見慣れない大きさの封筒が入っていました。明けてみると、何と盗まれた財布が入っていたのです。少しの小銭を除き現金は全て無くなっていましたが、財布に入れておいたクレジットカードや健康保険証、プレスカードなどは全てそのまま入っていました。
送り主を見ると、マールブルク市のドイチェ・ポスト(日本でいうと日本郵便)でした。ここは送り先が不明な郵便物が全て集められる所です。それにしても、なぜ私の財布がここを経由して自宅に届いたのでしょうか?
今回のことで知ったのですが、ドイツでは持ち主のわからない財布は近くのポストに投函することができるそうです。日本だとどこにでもある交番がドイツにはありません。そのためお財布を拾ったら交番へ届ける代わりに、ポストに投函するのだそうです。
ここからは推測になりますが、犯人はわたしの財布から現金を盗った後、どこかに財布を捨てたのでしょう。それをたまたま見つけた人がポストに投函してくれ、財布の中に入っていたプレスカードに名前や住所などが書かれていたため、私の自宅に届いたのだと思われます。
現金以外は全て戻って来たので、被害額はそれほど大きくなかったですが、ベルリンの治安が悪化していることを身をもって知らされました。今後は大金を持って歩かないよう、気を付けたいと思います。
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タグ:ドイツ、ベルリン
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